筋トレは脳をも育てる|「脳筋」という言葉の再定義

「脳筋だね」

筋トレをしていると、ときどきこんな言葉を向けられる。

身体ばかり鍛えて、頭を使っていない。

そんなニュアンスを含んだ言葉だろう。

だが実際は、まったく逆だ。

筋トレは、脳を使い、脳を育てる行為でもある。

「筋肉は脳の一部」と考えてみる


「筋肉は脳の一部だ」という表現は比喩だが、あながち間違ってはいない。

当然、筋肉は勝手に動くわけではない。

一つ一つの動きは、すべて脳からの指令によって起こっている。

― 脳が信号を出す
― 神経を通じて筋肉に伝わる
― 筋肉が収縮する

この神経伝達がなければ、筋肉は一切動かない。

つまり、筋肉を使うということは、脳を使うということだ。

さらに言えば、筋肉が発達する過程では、脳と筋肉をつなぐ神経のネットワークも強化されていく。

筋肉が増えるとは、

「脳がより多くの筋肉を、より正確に、より効率よく使えるようになった」

という状態でもある。

そう考えると、筋肉は脳の“外付け装置”のようなものだと言ってもいい。

筋トレはBDNFを増やす

筋トレが脳に良い理由は、感覚的な話だけではない。

科学的にも、いくつかの裏付けがある。

その一つが、BDNFと呼ばれる物質だ。

BDNFは、脳由来神経栄養因子と呼ばれ、神経細胞の成長や維持、学習や記憶に深く関わっている。

簡単に言えば、脳を育てる栄養のような役割を持つ物質だ。

― 記憶力
― 集中力
― 思考の柔軟性

こうした機能の維持・向上に、BDNFが関わっていることも分かってきている。

そして、近年の研究では、筋トレによって、このBDNFが増加することが示されている。

身体を動かすと頭が冴える理由

筋トレをしたあと、頭がスッキリする感覚を覚えたことはないだろうか。

これは気のせいではない。

― 脳の血流が良くなる
― 神経伝達が活性化する
― ストレス軽減ホルモンが分泌される

こうした変化が、思考のキレや集中力に影響を与える。

だから、筋トレは

「脳を働かせるための準備運動」

としても優れている。

「脳筋」という言葉の再定義

筋トレは、単なる体力づくりではない。

知的な活動と、身体的な活動を切り離して考える時代は、もう終わりだ。

「脳筋」という言葉があるとすれば、それは決して、考えない人間を指す言葉ではない。

むしろ、

脳と身体を同時に鍛えている人間

を意味する言葉であってほしい。

なぜなら、筋トレは身体だけでなく、脳をも強くするからだ。